液晶ディスプレイの鳴きを改善してみる。
さて、かねてから問題になるくらい段々と大きくなってきている液晶ディスプレイの音がそろそろ限界にきているので、これに対処をしてみようと思ったのが最初です。
中国製のディスプレイなのであまり期待はしていなかったのですが、国産品でも同じような現象が出ているようです。
理由は、
コイルの鳴きと呼ばれる現象です。
これは、コイルの中に電流が流れる時にコイルそのものに電磁石のチカラが働いて、少し動く事があります。1回だけなら何もないのですが、1秒間に数十回以上移動すると、コイルの動きがヘルツという波になり、音として伝播します。
そうなると、実際には音がでない事になっているディスプレイから音が出るという事になります。
この音は、CADやHTML等の静止画では、「ジー」や「チー」といった比較的安定した音であり、動画やフラッシュ、ゲームをしていたりすると、「チッチッチ」や、「ジーチッチチ、ジー・・・ジージー」といった耐えられないくらいの音を発する事があります。
理屈が解れば、解決方法も比較的簡単で、この動きを止めてやれば良いという事になります。
実際に準備するのは、エポキシ系か、シリコン系のボンドや、接着剤。これは、電流を流さなくて、かつ動かない状態を維持させるという条件にあった代物になるからです。
で、これを原因となっているコイルに直接塗布してやれば、音は減少するという理屈になります。
それでは、まずはディスプレイの分解からサクサクと進めて、基盤が出てきました。
ここみ見える、黄色い基盤が電源部分。緑の基盤が制御部分を担当していると考えられます。
今回の原因は、インバーターのフリッカー部分ですから、100Vからのトランス(黄色いテープを巻いてある部分)は関係なく、その下にある部分も推定関係ないと思われます。
と、いう事で左に並んでいる2つのコイルが蛍光灯を駆動するインバーター回路だと思われます。なので、ここに対して処置を施すという事になります。
推察する理由ですが、音が出ている時に、だいたいの音の出ている範囲とそのパターン、状況をチェックして、チェックリストにします。
恐らくは、パターン性があるので、そのパターンと、聞こえる範囲、そして音の漏れる場所を特定しておけば、最近のディスプレイは極めて単純な構造をしているので、音の発生原因がはっきりすると考えられます。
さて、このコイル周りにヒビや動いた跡は見られません。(動いた跡が見られる場合は根本から交換等の処置を検討せねばなりませんがとりあえず大丈夫)。
と、いう事は鳴きの原因はこのコイルである可能性が極めて高いという判断のもと、固定できるのは表から見える半分だけですから、音が小さくなるくらいしか効果はない可能性があります。(もっとむき出しコイルの場合は効果が見込めるかもしれませんが。)
なので、充填する要領で、少しづつ端の方からシリコンを詰めていきます。
こんな感じで、コイルとその周辺のフェライト部分に接着剤を盛り込んでやりました。(状況に応じて増減する必要があるかと思います。)
絶縁性は一応チェックしているので大丈夫。あとは実際に稼働するか否か?という問題です。(被膜が破れたりするとケムリが出たり、燃えたりするので注意。)
起動すると、画面がおかしくなっています。どうも走査線の半分が死んでいるようですが・・・初期化が必要だと判断し、リセット。その後、色々な動画をスキャンさせました。
しばらく(15分くらい?)してさらにリセットと補正がかかり、走査線が戻ったようです。
コイルの鳴きは、コイルが調整を行った時、つまり周波数を減らした時に発生します。なので黒い画面や、省エネをうたっているディスプレイに比較的多くみられるようですが、何のことはなく安いチップを使って、十分なテストをしていないから発生する場合が多いようです。
そして恐ろしい事に仕様の範囲内という事で修理に出しても戻ってくるという事実です。
原因は、先のようにコイルにありますから、このコイルを音の対策がしてあるものと交換してくれていれば、少なくとも大きな音にはならない(ハチが飛んでいるようにハッキリ聞こえる程度の音が出ます。)のですが、コストの関係で部品をケチるとこのような状況になりやすいといえるでしょう。
メーカ品でも、コストダウンのために海外設計部品を流用している機器に多く発生しているような?感じでした。
なお、液晶を分解し、このような行為をすると保障は無効になります。また、高電圧がかかっている部分なので作業の失敗=火事や、感電による死亡というケースもあります。
作業をした事により、音が無くなる補償はできませんし、火事になったり、死んだとしても責任は取れません。
作業される場合は、自分でよく検討してから実施してください。
その後、シリコン接着剤の凝固時間の24時間経過して、10時間程度利用しましたが、音の発生は最初の10分程度だけで、それ以降は小さな音すら消えました。
結果に大満足です。